16歳の老犬だった小太郎にはできものがあり、その傷口に被せていたナプキンを剥がすと、ウジ虫がうごめいています。私は目を疑いましたが、間違いなくウジ虫でした。
今回は、ハエとウジ虫によって起こる、犬のハエウジ症について書きたいと思います。
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できもの
小太郎が15歳になろうとしている頃、小太郎の肩の上あたりに小さなできものを見つけました。最初は小さかったのですが、少しずつ大きくなってきています。
この時は老化も感じられず、そのできものを足で掻いていました。そのうち、そこから血が出てきたので、消毒をして生理用ナプキンで抑え、その上から100均の服を着せることにしました。
丈は短かったけれど、伸縮性もありナプキンを抑えるのには役に立ちます。ナプキンを使用したのは、ハエ対策と防臭効果を期待しての事でした。
ウジ虫が・・・
それから一年半後、小太郎が16歳の5月の事です。小太郎のできものは、直径3cmくらいの大きさになっていました。
小太郎が服の上から背中を掻いていたので服をめくってみると、できもの付近に一匹のウジ虫がうごめいています。私の頭に『死』と言う言葉がよぎりました。
その前の年、近所のワンちゃんの傷口にウジ虫がたくさんいて、結局その後亡くなった事がありました。それが原因で亡くなったのかはわかりませんが、そのワンちゃんも高齢だったので重なってしまいます。
急いでピンセットを持ってきて、その一匹を取り除きました。ナプキンを剥がしてみると、まだ何匹かいます。
気持ち悪すぎるのですが、それどころじゃなかった私は、ブロッコリースプラウトの空き容器に水を入れ、目に見えるすべてのウジ虫をその中に沈めて退治しました。
その後、小太郎をシャンプーして、できもの周辺の毛をカットし、ナプキンを2枚使って覆う部分を広げることにしました。
獣医さんに相談
服を着せた後、家から一番近い病院に電話をかけて、高齢で車嫌いなので連れて来れない事とウジ虫の話をすると、患部を診ないと何とも言えないので、写真を持って来てくださいと言われました。
急いで病院に行き、先生に写真を見せます。できものはおそらく腫瘍で、それを治すために体液が出ている状態のようです。
その臭いにハエが寄ってきて、ウジ虫を産み付けたと思われます。先生から、この腫瘍に穴があるか聞かれたので、小さな穴のようなものが一つある事を伝えると、まだ穴の中にウジ虫が潜んでいるかもしれないとの事でした。
先生が教えてくれた対処法は、まず、できものにたっぷりヨードチンキをかけます。
次に、ウジ虫を潰さないよう注意しながら、穴から押し出すイメージでジャブジャブ洗い、ピンセットで取り除くというものでした。
処方された薬は化膿止めと軟膏です。軟膏を塗って患部を乾かさないようアドバイスを頂き、帰ってジャブジャブ洗ってみました。
やはり数匹が潜んでいて穴から出てきます。再度、ピンセットでウジ虫を取り除き、軟膏を塗ってナプキンと服を替えました。
再びウジ虫が・・・
それから4ヶ月程経った昼間の事です。この頃はまだ夜鳴きなどもなかったのですが、小太郎が小さな声で鳴いています。
まさか・・・と思いナプキンを剥がすと、数匹のウジ虫が動いています。取り除いた後、1時間置きに観察をする事にしました。
夜になり、ナプキンを剥がして懐中電灯で照らしてみると、その光に数匹が動いています。ウジ虫は暗い所を好みますので、懐中電灯の光に驚いたように暗い穴の中へ逃げようとしています。
急いで取り除き、ナプキンを付け替え、服を着替えさせました。その後、夜中に確認してみましたがウジ虫はいませんでした。
私の頭の中は、ウジ虫対策のことでいっぱいです。ナプキンを被せ、その上から服を着せているのにウジ虫がいるとなると、ハエの進入口は服の袖部分しか考えられません。
古くなった服の裾部分を切り、100均の服に袖を付けることにしました。
⇒手作りの服(100均服のリメイク)
その後、この年はハエウジ症を発症することはありませんでしたが、冬の間も消毒とナプキンをして服を着せていました。
次の年の夏、またウジ虫を見つけたのですが、数匹だったので退治することができました。この頃は小太郎の足腰が弱り、服を着替えさせるのにも負担がかかっていたので、ハエ対策も兼ねて服を作り直しました。
⇒型紙の作り方(マジックテープ服)
⇒手作りの服(マジックテープ服)
そんなある日、お昼休みに帰宅すると小太郎は寝ていましたが、何気なく目に留まったその場所にウジ虫が動いています。急いで車を降りてウジ虫を取り除き、その場所をシャンプーしました。
ウジ虫がいた場所は、おしっこで濡れた後ろ足の付け根当たりです。
おしっこはまだ普通にできていたので気に留めていませんでしたが、よく見ると、おしっこをする時に踏ん張りがきかず、足の付け根の毛が地面に着いていたのです。
それからは、おしっこの後も毎回ウェットティッシュで拭き、水のいらないシャンプーを使って清潔に保つようにしました。
その後、ハエウジ症の発症はありませんでしたが、おしっこのサポートができるように、介護用ハーネスのようなものを手作りしてみようと思いました。
⇒手作り服(介護ベルト)
ハエウジ症の原因は?
元気なワンちゃんならばハエを追い払うことができますが、高齢のワンちゃんや弱っているワンちゃんに腫瘍や床ずれなどがある場合、その傷口にハエが集まり卵を産みます。
卵は1日ほどで孵化、ウジ虫となり傷口から皮膚を食い破って体内に侵入します。傷口がなくても、肛門が汚れたままだとそこにも産み付けます。
種類によっては、直接ウジを産むハエもいます。ハエウジ症には3パターンあるとのことなので、詳しく知りたい方は、検索してみてください。
ハエウジ症の対策・対処法は?
外飼いの老犬に多いようです。しかし、室内飼いや若いワンちゃんにも注意は必要です。できものや床ずれは放置せず、また清潔な環境を整えるようにしてあげましょう。
また、ハエウジ症は、早期発見であれば薬や治療、手術などで完治も見込めますので、ウジ虫を見つけたら獣医さんに相談をしてください。
毛が長いワンちゃんは、暑い時期は毛をカットし、皮膚の異常を見つけやすいようにしましょう。ただ、外飼いだと直射日光に当たることもありますので、カットした後は服を着せてあげてください。
私の対処法
臭いが漏れないように、ナプキンも服も清潔に保つことを心掛けました。体験して思いましたが、ハエは恐ろしいほどの嗅覚を持ち合わせています。
ナプキンの付け替えの時は、汚れたナプキンを新聞紙の上に置き、先に小太郎に服を着せてから片付けていましたが、毎回ものの数秒で汚れたナプキンにハエとコバエがたかります。
このコバエには、100均の吊り下げるタイプのコバエ取りが効果的で、ハエもたまにくっついていました。
後悔したこと
ハエウジ症に限らず全ての事で言えるのですが、車嫌い、病院嫌いを治しておくべきでした。運よく数匹のうちにウジ虫を退治できましたが、一匹でも痒かったと思います。
私は次の夏に向けて、DIYで網戸をつけたサークルを作る予定でした。実際いくつかのパーツは作っています。これをこの年に完成させていたら、少しでも小太郎は楽だったかなと思いました。
腫瘍については、通常は手術で取り除くそうですが、高齢なので麻酔に耐えられるかを考え手術をしませんでした。その判断が正しかったのかどうか・・・答えを出せてはいません。