別れの日

小太郎とのお別れの日がやって来ました。とても辛い日です。この日は、弟も仕事の休みを取って、朝から来てくれました。

今回は、別れの日の事を書きたいと思います。

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ペット斎場へ

私が住んでいる市にも、ペット斎場はありますが、私がお願いしたペット斎場は、車で20分くらいで行ける隣の市にあります。

前の日に作った遺影と、小太郎のために作った最後の服、被せる防寒着を棺に納めるため、忘れないように先に積み、小太郎を車に乗せました。

出発の時間が近付いてくると、近所の方達も来てくださり、みんなに見送られながらの出発です。甥っ子に、小太郎の散歩コースを通ってもらい、ペット斎場へと向かいます。

その近くには従姉も住んでいて、従姉も直接ペット斎場へ来てくれました。その従姉から電話があり、駐車場がいっぱいで、大きい車は停められないと言います。前の時間の方が済んでいないようでした。

着いてみると、駐車場も建物もこじんまりしています。車を道に停めてもらい、スタッフの方に尋ねに行くと、「もう少しで前の方が帰られますので、ワンちゃんを降ろした後、車を入れ替えてください」と言われました。

受付では、納骨の方法と法要の事を聞かれます。私は、火葬後は連れて帰り、土に還します。法要もしません。そして、骨は全部拾いたいと伝えました。

奥の部屋には祭壇が見えます。受付が終わると、祭壇の前にある白い台の上に、小太郎を寝かせてありました。

この時に私は後悔します。棺もそこで購入できるとばかり思っていましたが、棺はなく、寝かせてある白い台を、そのまま火葬台の上に載せる形になるとの事です。

お別れ式

奥の部屋の祭壇に移動するように言われ、近所の方から頂いていた供花を、小太郎の上に置きました。

その後、スタッフの方が一応宗派を聞かれますが、結局、「今日のお坊さんは○○宗××派の方ですが、よろしいですか?」と言われ、「はい」と言うと読経が始まりました。

お焼香もあり、人の葬儀と同じような感じです。ここのペット斎場では、お別れ式と言うそうです。

さすがに祭壇の花は造花ですが、私は、祭壇や読経まであるとは知りませんでした。

たまたま前の日に作った遺影を持って行っていたのでよかったのですが、棺もない上に遺影までなかったら、寂しい祭壇だったかもしれません。

火葬

読経が終わり、火葬場へ移動します。祭壇の奥の部屋に、火葬場はありました。小太郎は、お別れ式の時の白い台ごと、火葬台の上に置かれています。

スタッフの方が「ワンちゃんに何か持たせたいものがあれば、そばに置いてください」と言われ、弟は、小太郎の大好物だったラーメン店のチャーシューを、口の近くに置きました。

私は、小太郎が好きだったおやつと防寒着を、身体の上に置いたのですが、スタッフの方が防寒着を手に取って「これはポリエステルの素材なので入れられませんよ」と言われました。

ポリエステルの素材の物は、溶けて骨にくっついてしまうそうです。仕方なく、小太郎を裸のまま送ることになりました。

私は、「小太郎ちゃん、最後の5日間苦しかったね、よく頑張ったね、今日までありがとう」と言いました。そして、家族それぞれが、小太郎に話しかけ、お別れの時がやってきます。

暗い暗い火葬炉の中に小太郎が入っていきます。スタッフの方が、「誰かお一人の方、ボタンを押してください」と言われました。

もちろん、それは私の役目だという事はわかっています。でも、なかなかそのボタンが押せず、私は深呼吸をしてボタンを押しました。

その後、スタッフの方が時間の説明をしてくれました。特に老犬は骨がもろく、高温で火葬すると灰になってしまうそうで、低温での火葬となるので、時間は2時間ほどかかるとの事です。

そこのペット斎場には、待合室はなく、私はその場で小太郎を待っていたかったのですが、その間も飼い主さんが、納骨棚のような部屋にお参りに来られたりしています。

邪魔になってはいけないので、従姉の家へ行き、時間が来るのを待ちました。ペット斎場へ戻ってみると、もう少し時間がかかるという事で、その間に骨壺や骨壺袋を選びます。

しばらくして、小太郎は骨となり戻ってきました。骨となった小太郎を見て、また涙が溢れます。どこも欠けることなく、ちゃんと小太郎のままの骨でした。

スタッフの方が、17歳の老犬で、こんなにしっかりと骨が残るのはとても珍しく、歯も全部残っているのは滅多にない事だと、びっくりされていました。

お骨上げ

お骨上げをする前に説明があり、どこの骨なのかという事と、赤くなっているのが出血の後で、黒くなっている所が癌だと言われました。
ハエウジ症

やはり、できものがあったところは黒くなっていて、骨折した左の後ろ足は、レントゲンで見た通り、斜めに折れて赤くなっています。「痛かったね、小太郎」思わず言葉が出ました。
骨折

スタッフの方から「お骨がしっかり残っているので、先ほど選ばれた骨壺では収まらないかもしれません。どうされますか?」と聞かれたので、もう一つ大きいサイズに変える事にしました。人の骨壺のサイズだそうです。

家族全員で骨を拾い、最後に頭、喉仏を入れるのですが、頭を入れる前にスタッフの方が、私たちが骨とはわからず拾っていなかった小さな骨を、一つ一つ説明をしながら、素手で丁寧に拾い上げてくださいました。

骨壺袋には、骨壺の温度がもう少し下がってから入れると言われ、まだ熱い骨壺を抱え、先に支払いに行きます。

料金は、体重別で骨壺込みです。10kg以上で19,000円と骨壺袋が4,500円でした。

支払いが終わり、骨壺を骨壺袋に入れてもらいましたが、土に埋める時は、骨壺袋に直接骨を入れて埋めると、この袋ごと土に還ると説明してくれました。

そして、部屋に置いておく間は、きれいなお水を毎日供えるように言われました。

手作りの祭壇

一度家に帰り、遺影と遺骨を置くために、扉付きの二段ボックスを買いに行き、手作りの祭壇を作ることにしました。

作ると言っても、ボックスを組み立てるだけです。素焼きの鉢を線香立ての代わりして、写真と花を飾り、水を供えました。

骨壺には、小太郎が使っていたスティッチのレインコートを被せています。四十九日を過ぎたら、遺骨は土に埋めようと思っていましたが、まだ、私の部屋に置いています。

一周忌までには庭の片隅に、手作りでお墓を作る予定です。

追記

一周忌を迎え、手作りでお墓を作りました。⇒お墓作り

ペット斎場を利用して思った事

私は、今回このペット斎場を利用して本当に良かったと思いました。人のお骨上げよりも丁寧に思えて、何より、小太郎を大事に扱ってくださいました。

飼い主さんはみなさん同じだと思いますが、ワンちゃんが闘病中であったり、年老いても、亡くなった時の準備などはしていないと思います。また、したくもありませんよね。私もそうでした。

しかし、現在は悪質なペット火葬業者もあると聞きます。私の場合は、近所の方が利用された所に行きましたが、やはり、経験した方の話を聞いておいたり、近くのペット斎場の評判を調べたりしておいた方がいいと思います。

私は、近所の方からペット斎場の名前を聞き、ホームページを見ていたのに、棺があると思い込んで確認をしていませんでした。

小型犬なら箱を棺代わりにできると思いますが、小太郎くらいの中型犬は、すぐに用意できるのは、普通の段ボールしかないと思いますし、それではかわいそうです。

棺を用意していなかったのが心残りです。お墓は心残りのないように作りたいと思っています。

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